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2012年に上演した作品

2012年1月例会 劇団朋友『女たちのジハード』 原作/篠田節子 脚本/篠原久美子 演出/宮崎真子
出演/加藤忍、水野千夏、勝部祐子、桐原史佳、平塚美穂、今本洋子、杉野博臣、進藤忠、谷部央年、服部訓広、大家仁志、小宮山徹

1月24日(火)6時30分
  25日(水)1時30分・6時30分
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 女性の時代。20世紀にかなり社会的地位を得た言葉であったことは誰もが認めることと思う。
 だが、本当に女性たちの時代であるかは、もう一度考え直したほうが良いかもしれない。
 女が働くのは何か事情があって可哀想な人、と思われていた時代から、働くのが当たり前になりつつある今、一見女性が社会的で積極的な生き方をし始めているようだが、もやもやと何かが違う、何かが足りない、もっと輝く自分を見出したいと思っている人が多いのではないだろうか……。
 そんな働く女性たちに、そして主婦たちに、さらに子育てを終えさてこれから……?という女性たちにも元気のでるお芝居を届けたい。

「ジハード」とは“聖戦”の意
 保険会社に勤める五人の平凡なОLがそれぞれ自分自身の生き方、生きがい、居場所を求めて現実の世界からさらに次への第一歩を踏み出し、巣立っていく。
 篠田節子の直木賞受賞作品『女たちのジハード』を2000年に劇化。
“シンプル"“スピーディー" “インパクト"は変わらずに、いま新たにリニューアル。劇団朋友が贈る意欲作。
 女性たちの、女性たちによる、女性たちのための元気のでるお芝居。
2012年3月例会 劇団東演どん底『どん底』 作/マクシム・ゴーリキー 訳/佐藤史郎 演出/ワレリー・ベリャコーヴィッチ
出演/笹山栄一 、山中康司、豊泉由樹緒、能登剛、南保大樹、奥山浩、星野真広、原野寛之、姶良勇一 、飯田光、腰越夏水、岸並万里子、小池友理香、小川由樹枝、大川彩香、内山森彦、武正忠明、石田登星、橘憲一郎、津田真澄、D.ナグレジノフ、G.ガルキナ

3月14日(水)6時30分
  15日(木)1時30分・6時30分
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

劇団東演のどん底 http://www.t-toen.com/donzoko/donzoko_top.htm

 劇団東演が『どん底』を初演したのが1966 年。それ以来劇団の代表的なレパートリーとして上演しつづけ演劇ファンからも愛されてきました。演出は八田元夫、千田是也と日本の新劇界をリードしてきた第一世代の演出家が、それぞれの思想、哲学を登場人物に投影、すぐれた舞台として評価を得てきました。
 そして21世紀の今、ロシアの気鋭の演出家・ベリャコーヴィッチの手により、あのドラマがまったく新しく現代的lこ蘇リました。音楽と光と群舞がスピードとリズム感あふれるなかで交錯し、一人ひとりの登場人物がくっきりと観客の前に現われてきます。いままでの常識を越えた、エネルギッシュで刺激的な力強い舞台です。

 吹き溜まりのような安宿。そこには行き場のない人間たちがうごめいている。男爵と呼ばれている男、イカサマ賭博師のサーチン、アル中で役者と名乗ってる男、小説の恋物語の主人公になりきっているナースチャ、周りの住人に敵意むき出しのクレーシチ、その妻で今にも死にそうなアンナ、そのほか何人もの住人が朝の喧騒の中、怒鳴りあっている。そんなところへこの宿の主人コストゥリョフが妻を探しにやってくる。猜疑心の強い、嫉妬深い男だ。眠りを邪魔されたコソ泥のペーペルはコストゥリョフに食ってかかる。住人をまきこんでの一悶着が始まった………。

 そんなところへ新入りの巡礼ルカをワシリーサの妹ナターシャが案内してくる「どんなに気取ったところで、人間は人間として生まれ、人間として死んで行くんだ」 「わしらはみんな、この地上では巡礼さ。わしらの地球だって空を巡る巡礼というじゃないか」--啓示めいた一言ひとことが、やがて波紋のように宿の住人の心に広がっていく…。
2012年5月例会 文学座『長崎ぶらぶら節』 作/なかにし礼 演出/鵜山仁
出演/平淑恵、大滝寛、赤司まり子、清水馨、太田志津香、北村由里、岡寛恵、頼経明子、藤崎あかね、鈴木亜希子、金松彩夏、石川武、押切英希、大原康裕、吉野正弘、横山祥二。大場泰正、上川路啓志

5月17日(木)6時30分
  18日(金)1時30分・6時30分
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 「長崎ぶらぶら節」は、なかにし礼氏が直木賞を受賞した小説を自らの手で戯曲化し、鵜山仁演出、平淑恵主演により、文学座70 周年記念公演として、2008 年に九州演鑑連と東京で初演した作品です。平淑恵が演じる主人公は明治から昭和の初めにかけて生きた実在の人物で、芸に秀できっぷが良くて人情に厚い長崎・丸山の芸者、愛八。彼女と共に埋もれた歌を探し歩く郷土学者・古賀十二郎との純愛と、二人の歌への情熱が描かれています。

    「というと、歌はこの世のものではなかというとですか」
「そうたい。歌はこの世とあの世ばつなぐ掛け橋たい」
 この世とあの世、聖と俗、昼と夜、遊興と学問、男と女……
 今回の主人公は、そんな様々な隔たりをつなぐ掛け橋となって、まだ見ぬ異郷の風景を、過去を、未来を、そして見果てぬ夢を垣間見せてくれる歌の力、芸能の力といえます。その力を、現実の世界と想像の世界をつなぐ舞台の力におきかえ、華々しくも哀切な、澄みわたった「祈り」として客席に届けたいと考えています。
 長崎の花街を舞台に三味線や踊り、歌など芸も盛りだくさんで、文学座伝統の鮮やかな「和物」作品の復活です。層の厚い俳優陣による文学座ならではのアンサンブルを基調に、平淑恵の愛八は「長崎弁を自然にこなしたセリフ回し、和装の着こなしとさばき、三味線、歌、踊り、どこをとっても乱れがない。見事としかいいようがない」と絶賛されました。そして、歌と愛に生きる証を求める愛八のいちずな姿は、観る者を圧倒し、現代の私たちに生き方を問いかけ、ひとり一人の心を激しく揺さぶることでしょ
2012年7月例会 劇団前進座『さんしょう太夫~ 説経節より~』 作/ふじたあさや 演出/香川良成
出演/小林祥子、竹下雅臣、武井茂、前園恵子、益城宏、妻倉和子、嵐芳三郎、江林智施、北澤知奈美、中嶋宏幸、渡会元之、石田聡、上滝啓太郎、藤井偉策、    志村智雄、小佐川源次郎。

7月18日(水)6時30分
  19日(木)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 平将門の孫、奥州五十四郡の主・岩城判官正氏(いわきのはんがんまさうじ)は、帝の勘気をこうむり流人の身。妻の玉木は、あんじゅとづし王を伴い、帝の許しを請うため、京に向かって旅立ちます。ところが、道中、人買いの山岡太夫に騙され、母は佐渡へ、姉弟は丹後の国のさんしょう太夫のもとへ、別れ別れに売られてしまいます。
 さんしょう太夫の館で奴婢となった姉弟は、名も「しのぶ」「わすれぐさ」と改められ、慣れぬ汐汲み芝刈りに追い立てられ、つらく悲しい 日々をおくるのでした……

 『さんしょう太夫』は、「あんじゅとづし王」の物語に、中世古来の説経節をふんだんに取り入れた音楽劇です。
 暗闇の中、漂白の説経師に扮する出演俳優全員による説経節の語り(唄)で幕を開けます。そして世界は「あんじゅとづし王」の物語の劇中劇へと移り変わり、語りと共に物語が進行します。
 物語は、中世から民衆が語り継いできた原点の話です。小説とはここまで違ったのか、と驚かれると共に、往時の民衆の願いを思うことになるでしょう。また、語られる説経節は、すべて出演俳優による演奏と語りで、マイクを通さない生音です。その響きはどこか懐かしく、また、歌詞もわかりやすく、古臭さは全くありません。  民衆が語り継いだ物語、日本古来の懐かしい旋律、真の『さんしょう太夫』を大人の皆様にお届けしたく、ここに前進座の財産演目中の財産演目を企画提案させて頂きます。
2012年9月例会 劇団民藝 『白バラの祈り~ゾフィー・ショル、最期の日々~』
作/リリアン・グローグ 訳/吉原豊司 演出/高橋清祐
出演/桜井明美、三浦威、西川明、ほか
9月12日(水)6時30分
  13日(木)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 一少女の眼差しが、真実を映しだし人びとの記憶にとどまる。今日も色褪せることのない感動の歴史。アンネ・フランクの「日記」は1946 年父親の手で刊行され、ナチスによるユダヤ人迫害を告発した。ドイツ国内では、反ファシズムを掲げて1943 年に「白バラ」事件がおこり、女学生ゾフィーは手斧による斬首刑を執行された。学生による抵抗グループの勇気を支えたのは信念であり、奪い返そうとしたものは「人間の尊厳と自由」だった。
 べルリンの壁が崩れて旧東ドイツの裁判資料が公開されたのが1989 年。「白バラ」事件はたちまち舞台化され、1991年サンディエゴとニューヨークで初演。逮捕から処刑までのわずか五日間の「ゾフィー最期の日々」は、青春を謳歌する多感な女学生の姿をも描いて感銘的です。苛酷な取調べ室での、老獪なゲシュタポ尋問官との心理的な駆け引きや応酬。奥行きのある真実のストーリイーが舞台上で展開されていきます。若く魅力的なヒロインの願いは、いま何を語りかけてくれるのでしょうか。

 第二次大戦下のドイツ。ナチスの暴政に反旗を翻したミュンヘン大学医学部の学生グループは、「戦争努力の放棄」を呼びかける郵便やビラに< 白いバラ> と署名して、オーストリアとドイツ国内に配布する。まもなく一斉逮捕され、わずか数日で国家反逆罪として処刑されてしまう。しかし女学生のゾフィーは死にのぞむ日まで偽りの告白を拒否し、屈することなく真実を主張するのだった。明るい未来を信じて……
2012年11月例会 劇団NLT『宴会泥棒』 作/レンゾ・タラプーシ、ジウリオ・スカルニッチ  脚本・演出/釜紹人
出演/林与一、峰さを理、川端槇二、木村有里、山田登是、ほか

11月13日(火)6時30分
   14日(水)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 ナポリの裏町のアパート。この部屋の主レオニーダ氏の職業は泥棒。といっても招かれてもいない結婚披露宴やパーティーに出かけては、出された料理を食べずに特製のポケットに入れて持ち帰るというもので、本人は罪の意識もなく、これは芸術であり天才だけが務められる立派な職業だと思っているようだ。そして本来の自分の職業は詩人だと称している。しかしそんな彼だが悩みもあった。妻の浮気が心配なのである。
 一方、レオニーダの内縁の妻マリアは、なかなか彼への愛情を素直に表現できない。それどころか、向かいの住人アントニオの誘惑を憎からず思うような素振りすら見せている。そんなある日、レオニーダは今の仕事だけでは大家族を養えないと、あることを思いつくものの計略は思うようには進まず、犯罪者をかくまわなくてはならなくなってしまう。しかし、それも金儲けにつなげようとして・・・。

 『宴会泥棒』は毎日を一生懸命に、たくましく生きようとする庶民の姿が微笑ましい元気が出る喜劇です。主人公の“愛すべきペテン師” に、林与一さんを迎え、翻訳劇初挑戦の新鮮さと芸達者な男の色気が大きな魅力となりました。NLT のメンバーもキャラクターにピッタリの配役で、客席を大いに沸かせます。ウェルメイドな芝居が爽快感を呼び、舞台の世界に浸る快感を存分に味わっていただけます。