2013年に上演した作品
1月例会 劇団朋友『真砂女』 | 脚本/瀬戸口郁 演出/西川信廣 出演/藤真利子、本山可久子、谷昌樹、小島敏彦、まきのかずこ、山口晴記、木野しのぶ、今本洋子、渡辺弘、稲有寿沙、細田知栄子、菅原チネ子、進藤忠、石川惠彩、水野千夏、小宮山徹、相馬聡廣、山岸香織、佐藤俊介。 1月15日(火)6時30分 23日(水)6時30分 24日(木)1時30分 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール) 波乱の人生を俳句と共にしなやかに生き抜いた女流俳人・鈴木真砂女の半生を綴る。 明治39年、安房・鴨川の老舗旅館・吉田屋(現、鴨川グランドホテル)の三女として生まれた鈴木まさ(真砂女)は、天真燭漫に育ち昭和4年に22歳で日本橋の靴問屋の次男と恋愛結婚をする。娘(佳奈子) に恵まれるも、夫の失綜の故に娘を婚家に残したまま鴨川に戻される。姉の急逝により義兄と結婚させられ旅館の女将となり吉田屋を継ぐ。 このころから友人の誘いで俳句を始めたまさは才覚を顕し、俳句の世界に没頭しながらも女将の仕事をこなしていく。そんな最中、まさは海軍士官との道ならぬ恋に家を出る。結局連れ戻されるが、そのことが後を引き吉田屋から去ることとなり、娘のところに身を寄せる。 その後、銀座に小料理屋「卯波」を開店し、ますます俳句に情熱をそそぎこむ。そして96 歳でこの世を去るまで数々の恋の句を残したのである。 “今生の いまが倖せ 衣被”恋に生き、 恋の句を詠み続け、96 歳でその生が燃え尽きるまで、波乱の人生を俳句と共にしなやかに生き抜いた女流俳人の半生を綴る。 不確実な現代に生きる私たちに、実在した一人の女性の人生を通し、生きる力を与える人間賛歌の舞台を描きます。 鈴木真砂女(すずきまさじょ)1906年~2003 年。 波乱の恋に生きたその人生は、丹羽文雄の小説「天衣無縫」や瀬戸内寂聴の「いよよ華やぐ」に書かれ、つとに有名。 |
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3月例会 劇団俳優座『樫の木坂四姉妹』 | 作/堀江安夫 演出/袋正 出演/青山眉子、岩崎加根子、川口敦子、河原崎次郎、武正忠明、脇田康弘、平田朝音、小澤英恵、小林亜美、齊藤奈々江、森根三和。 3月12日(火)6時30分 13日(水)6時30分 14日(木)1時30分 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール) 20 世紀は戦争の世紀といわれ、1945 年8月6日と9日には広島と長崎に原子爆弾が落とされました。核廃絶運動はそれ以後今なお連綿と続いています。 数多くの人々が戦争の為に戦地や空襲で、そして原爆で命を落としました。しかし被爆して生き残った人々もいます。生き残れたものの、生き残ってしまったという負い目、被爆により結婚を放棄、奇形児出産、自身の体も蝕まれるなど、原爆が残した忌まわしい産物は数知れません。家族の大切さ、原爆の悲惨さ、悲しさ、愚かさを残された者が過去を語っていきます。 今回は堀江安夫が1944 年と2000年の二つの時代を通して原爆がもたらした葦葉家の家族の運命を丁寧に描いていきます。 長崎港を一望する古い石畳の坂道を、土地の人々は樫の木坂と呼んでいる。樹齢数百年を越える樫の老木が葉群れを広げる葦葉家は山の斜面を切り拓いただらだら坂の中腹にあり、被爆者である老三姉妹の生活を撮り続けているカメラマンの州崎が通っていた。 2000 年、長崎が夏を迎えようとしていたある日、州崎は部屋のピアノについて尋ねる。それは四女のゆめが双子の姉の供養のために買ったものだった。 …今から55 年前、両親と兄、四姉妹の7人家族のあたたかく穏やかな日々がいつまでも続くように思われていたあの頃……。 戦争、特攻による兄の死、姉(妹)の死、被爆…。 「わたし達の毎日には一度だって8月9日が消えたことがなかとーー」 戦争が終わっても残された三姉妹は常に忌まわしい過去と被爆の現実に向き合わされていた。 |
5月例会 加藤健一事務所『モリー先生との火曜日』 | 作/ミッチ・アルボム 脚色/ジェフリー・ハッチャー、ミッチ・アルボム 訳/吉原豊司 演出/高瀬久男 出演/加藤健一、加藤義宗 5月21日(火)6時30分 22日(水)1時30分・6時30分 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール) スポーツライターとして第一線で活躍するミッチ(加藤義宗)は、ある日偶然見ていたテレビで、大学時代の恩師モリー・シュワルツ教授(加藤健一)がルー・ゲーリック病(筋委縮性側索硬化症/ALS)という難病であることを知る。ミッチは、わずかな余命をトコトン生きる教授の姿に胸をうたれ、モリー先生との再会を果たす。そして、毎週火曜日、「人生の意味」を説く、モリー先生の講義が始まる。講義のテーマは「死」「恐れ」「老い」「欲望」「結婚」「家族」「社会」「許し」「人生の意味」など・・・。 ダンスを愛し人生を謳歌していたモリー先生と、音楽に魅せられピアニストを志していた元教え子のミッチ。16年の時を経て再開した二人だけの講義が、今始まる・・・。 『モリー先生との火曜日』は、アメリカで実際にあった話です。モリー・シュワルツ教授の大学時代の教え子のミッチ・アルボムが書いたノンフィクション小説は大ベストセラーになり、日本でも出版されています。モリー先生が自分の命を懸けて、死ぬ間際までテープに録音した講義を文章に起こしたもので、本当の意味で“言葉のもつ力” があり、世界中の人々を感動させています。 死を目の前にした人の言葉なのに、「生き方」を教えてくれるモリー先生。こうやって生きれば、楽しく有意義に人生は送れるよ……と。 芝居全体が、毎週火曜日にミッチがモリー先生を訪ねて、生き方についての講義を受けるという構成で、いつのまにか観客も、モリー先生の話を聞いている生徒のひとりになってしまったような気持ちにさせられます。見終わってから、爽やかな感動が残る作品です。 |
7月例会 劇団民藝『どろんどろん~裏版「四谷怪談」~』 | 作/小幡欣治 演出/丹野郁弓 出演/稲垣隆史、安田正利、三浦威、塩屋洋子、細川ひさよ、齋藤尊史、和田啓作、桜井明美、ほか 7月2日(火)6時30分 名古屋市芸術創造センター 7月9日(火)6時30分 10日(水)1時30分 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール) 長谷川勘兵衛は芝居の大道具師。近頃怪談狂言を手掛け、身の回りに不吉なことが起こっていた。不安がる勘兵衛の家族たち。そんな折、当代の人気役者菊五郎が主演する鶴屋南北の新作『東海道四谷怪談』のための仕掛け「戸板返し」「提灯抜け」を作ると言う難題が舞い込む。 長谷川ののれんをかけた大仕事に取り組む勘兵衛は、菊五郎の養子、松助との間に事件を起こした息子長吉を破門して、一番弟子の半次に職人衆を仕切らせるが・・・。初日は刻々と迫ってくる。さて新作狂言の初日は無事あくのだろうか・・・。 “戸板返し”や“提灯抜け”を編み出したのは誰? 舞台の道具の仕掛けをめぐって作者南北、役者菊五郎、そして大道具師勘兵衛、三者の意地が激しくぶつかり合う。仕掛けがいっぱい「四谷怪談」のメイキングヒストリー。 |
9月例会 木山事務所『ミュージカル はだしのゲン』 | 原作/中沢啓治 脚本・作詞・演出/木島恭 出演/小野文子、女部田裕子、小川恵梨、大宣見輝彦、橋本千佳子、広瀬彩、本田次布、林次樹、宮内宏道、長谷川敦央、茜部真弓、前田昌明 9月17日(火)7時 18日(水)1時30分・7時 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール) 1996 年の初演以来、日本各地から世界4カ国へ上演を続け、2007 年10 月27 日にモスクワで400 ステージを達成しました。私たちの当初の小さな試みが、こんなにも拡がろうとは想像もできませんでした。 日本の状況も世界の状況もずいぶん変わりました。若い人にとっては戦争は遠い昔の話かもしれません。 『はだしのゲン』は、過去を振り返り、現在を見つめ、未来を望む作品です。演劇の重要な役割の一つは、現代を批評し、あるいは異議を申し立てる創造行為だと考えています。幸いにも、多くの人たちの心と共振しあうことができました。。 1945 年(昭和20 年)8月6日午前8時15 分、ヒロシマ。 ゲンが学校へ向かう途中原爆が投下され、父と姉と弟の焼死を目の当たりにしました。一瞬のうちに14 万人の市民の命が奪われました。道々には全身にガラスがささったり、皮膚が焼け爛れて、多くの人が幽霊のように水を求めて歩いていました。 生き残ったゲンと母親は原子野の中を懸命に生き抜いていきます。いたずら心旺盛でちょっぴり涙もろいゲンの姿は、観る者を元気づけ希望をも与えてくれます。 シンプルな装置と衣裳で、多層的でスピーディな演出により観客の想像力に訴えかけます。劇中のオリジナル曲の歌声と随所に挿入されるマイム風のダンスを取り入れた独特のミュージカルです。 |
11月例会 文学座『殿様と私 ~殿、踊りましょうぞ~』 | 作/マキノノゾミ 演出/西川信廣 出演/加藤武、たかお鷹、寺田路恵、富沢亜古、佐川和正、松山愛佳、沢田冬樹、星智也 11月14日(木)6時30分 15日(金)1時30分・6時30分 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール) 劇作家としてばかりでなく演出家としても大活躍中のマキノノゾミの新作に文学座が初めて取り組んだ作品です。ニューヨークで実際に不朽の作品『王様と私』に接し、タイ人である王様が自由に英語を操る所にアジア人として不快感を感じたマキノノゾミ。そこに『殿様と私』が生まれる原点があります。 時代を明治中期の日本に移した『殿様と私』。日本の夜明けを見事に活写し、「極めて質の高いエンターティンメント作品」(読売新聞劇評)となりました。 明治19年。東京・麻布鳥居坂に住む白河義晃子爵は急速に西洋化する日本になじめない日々を送っていた。ある日、外務卿・井上馨の書生と白河家の家令雛田源右衛門の間に一悶着が起き、雛田は、「因循姑息な白河子爵は華族の資格なし」と罵倒される。それを聞き義晃は時代遅れの討ち入りを決意。 しかし、「白河家を守るには鹿鳴館に乗り込み、見事なダンスを披露して和魂洋才の手本を示すこと」という息子義知の提言に、お家のためならやむを得ずと渋々承知の義晃。米国人のアンナ・カートライト夫人を指南役に、義晃のダンス修行が始まった。西洋に憧れる義晃の娘雪絵にとってアンナは輝かしい存在であった。結局、雛田の嘆願により、鹿鳴館に出かけたのは義知と雪絵。その雪絵には大きな体験が待っていた。プレイボーイの英国海軍大尉との出会いと破局。 アンナが白河家を訪れてから1年。様々な出来事に明け暮れた白河家の1年であった。義知はドイツ留学に旅立ち、雪絵は・・・。 アンナは女性としての自立と幸せを思い、雪絵をアメリカに連れ帰りたいと言う。時代の波を自らかぶり、義晃の気持ちも変貌した。雪絵のアメリカ行きを許し、義晃はアンナと優雅に踊り始めるのであった。急速に西洋化する日本になじめす、酒浸りの日々を送っていた白河義晃子爵。息子は、時代遅れの白河家を守るには「鹿鳴館に乗り込み、ダンスを披露して和魂洋才の手本を示すこと」と提言。義晃は、お家のためならやむを得ずと、渋々米国の夫人相手にダンス修業をはじめたのだが、果たしてその成果は…。 |