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2014年に上演した作品

1月例会 俳優座劇場プロデュース音楽劇『わが町』 作/ソーントン・ワイルダー 訳/鳴海四郎
演出/西川信廣 音楽/上田亨 作詞/宮原芽映
出演/土居裕子、原康義、栗野史浩、瀬戸口郁、麻乃佳世、川井康弘、花山佳子、保可南、茜部真弓、岡のりこ、金子由之、金成均、藤側宏大
ピアノ演奏/佐藤拓馬

1月29日(水)6時30分
  30日(木)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 1938年に初演されピュリッツァー賞を受賞した、ソーントン・ワイルダーの『わが町』。70年愛され続けた名作を音楽劇に再構成するという、西川信廣と上田亨が温めていた構想に、宮原芽映の詞をのせて2011年に上演。客席からは称賛の声が寄せられました。
 エミリーを演じる土居裕子をはじめ魅力ある俳優陣が、グローヴァーズ・コーナーズという小さな町を舞台に、何気ない暮らしの中に散りばめられたかけがえの無いものを壮大な視点で描きます。俳優座劇場が渾身の想いを込めてお贈りする音楽劇『わが町』です。

 アメリカ・ニューハンプシャー州の小さな町グローヴァーズ・コーナーズ。ギブズ医師の息子ジョージと、隣に住む地方新聞の編集長ウェブ氏の娘エミリーは幼馴染み。穏やかで誠実な両親や町の人々に見守られ成長した二人は互いに恋をし、やがて結婚の日をむかえる。結婚式は町のみんなに祝福され新生活は幸せに満ちていた。だが9年の歳月が過ぎたとき、二人に思いもよらない出来事が訪れる……。
3月例会 劇団前進座『あなまどい』 作/乙川優三郎 脚本/金子義広 演出/橋本英治
出演/嵐圭史、浜名実貴、嵐芳三郎、姉川新之輔、針谷理繪子、松涛喜八郎、渡会元之、平澤愛、山崎辰三郎、小林祥子、寺田昌樹、村田吉次郎、武井茂、忠村臣弥、石田聡

3月13日(木)6時30分
  14日(金)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 “往来で上士と会えば平伏しなければならない” という武士の仕来りがこの物語の発端となります。「忠臣蔵」を代表する仇討ちの物語は華々しいものが多いですが、実際は、仇を見つけられず、何十年もさすらった挙句に他国で亡くなることもざらでした。
 目の前で父を殺された関蔵は仇討ちを命じられ、新婚の妻喜代をおいて旅に出ます。それから34 年。白髪の妻は、念願を果たして帰った関蔵を待ち続けていました。しかし、すでに家督は親族に奪われ、花に彩られた庭は畑となって……  物乞いと武士を比べれば、人は武士の一生を選ぶでございましょう。が、人とあらば、武士がいかほどのものでありましょうや。
 無為な半生を費やした主人公の目線には、社会への痛烈な批判と人間賛歌があり、次々と明らかになる事実の前に、観客は引き込まれ、最後には温かい涙を流す展開となっています。観劇後は物語の夫婦のように手をつないで帰路につきたくなるのではないでしょうか。
 “あなまどい” とは「彼岸を過ぎても冬眠するための穴を見つけられない蛇」という意味の季語ですが、その意味を劇中で知るのも楽しみの一つです。
5月例会 劇団東演 『ハムレット』 作/W・シェイクスピア 訳/佐藤史郎  演出/V・ベリャコ-ヴィッチ
出演/南保大樹、早野ゆかり、 M・ドラチェーニン、能登剛、ほか
5月19日(月)6時30分   20日(火)6時30分   21日(水)1時30分 ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 デンマーク王子ハムレットが、「父を殺し母を奪い王位を簒奪した叔父」を討ち、復讐を果たすというシェイクスピアの四大悲劇の一つ。「To be,or not to be」など。名言格言いっぱいの物語。  闇と光と音楽、躍動感のある舞台、それに日本語とロシア語の交錯が思いも賭けないドラマを生み出すーロシアの鬼才ベリャコーヴィッチの描く独特の世界が、シェイクスピア演劇の新境地を開く。
7月例会 劇団民藝 『八月の鯨』 作/デイヴィッド・ベリー  訳・演出/丹野郁弓 出演/奈良岡朋子、日色ともゑ、 篠田三郎、稲垣隆史、ほか
7月15日(火)7時   16日(水)7時   17日(木)1時30分 ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 リビーとセーラの老姉妹は、毎年8月になると、小さな島の別荘に滞在していた。幼いときに、その入江で見た鯨に再び会うことを心待ちしながら……。ともに老年を迎えた姉妹のある夏の日の生活を映し、老いること、そして生きることの意味を淡々と描く。
9月例会 青年劇場 『島』 作/堀田清美 演出/藤井ごう 出演/清原達之、上甲まち子、 渡辺尚彦、吉村直、ほか
9月17日(水)6時30分   18日(木)1時30分・6時30分 ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 1951年、瀬戸内海の小島。貧しさに喘ぐ生活が続く中、広島で被爆した青年教師とその家族は、将来のことを思い悩んだり、戦争や政治がもたらす不条理なものへ怒りながらも、未来に向かって乗り越えようと力強く生きていく。
11月例会 文学座 『くに子』 作/中島淳彦 演出/鵜山仁 出演/栗田桃子、角野卓造、 塩田朋子、山本郁子、ほか
11月18日(火)7時    19日(水)1時30分・7時 ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 昭和41年11月28日、東京の世田谷に一人の女の子が生まれました。その子の名前は「くにこ」。やがて、その女の子は物語の母になるのでした。これは向田邦子がドラマ作家としてスタートするまでの人生を描いた評伝劇です。